AWS・Azure・GCP・OCIの無料枠を比較

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クラウドの課金

クラウドは、利用したサービスの時間や使用量に応じて課金が行われます。

例えば、仮想マシンであればCPU数やメモリサイズなどのスペック、起動した時間によって課金されたり、ストレージであればブロックストレージやオブジェクトストレージといった種類や性能の違いや使用している容量などによって課金されたり、ネットワークであれば帯域や通信量などによって課金されたりします。

今後のシステム開発では、クラウドを使わなければならないことも多くなってきますが、勉強などのためにちょっとクラウドを試してみようと思っても費用がかかってくるとなると躊躇する部分もあったりすると思いますが、大抵のクラウドサービスには無料利用枠が準備されています。

クレジットカードなど個人情報の登録が必要になるのと無料の範囲に注意して使用する必要がありますが費用を掛けずに試すことの出来るクラウドサービスをいくつか紹介します。

無料利用枠のあるクラウドサービス

AWS

AWSは、Amazon Web Servicesの略でAmazon.comが提供している世界トップシェアのクラウドサービスです。

クラウドサービスを使ったシステム構築となると選択肢として最初に名前が上がることが多いかと思います。世界トップシェアなだけあって小規模から大規模までシステム構築の実績も多く、ネット等で検索すると情報も色々と出てくるので調べやすいといったメリットがあります。

AWSには、使用量上限まで常に無料・アカウント登録から12か月間使用量上限まで無料・短期間使用量上限まで無料トライアルの3種類の無料枠があります。

利用可能なサービスや制限事項は、「AWS 無料利用枠」のページにあるフィルター条件にチェックを入れることで確認することが出来ます。

Azure

Azureは、Microsoftが提供しているクラウドサービスです。

AWSに次ぐ世界シェアを持っておりAWSの対抗として名前が上がってくることが多いです。Microsoft365とAzureをスムーズに連携させるなど他のMicrosoft製品との連携がとりやすいです。

Azureには、使用量上限まで常に無料・アカウント登録から12ヶ月間使用量上限まで無料・30日間有効な¥22,500 分のクレジットの3種類の無料枠があります。

利用可能なサービスや制限事項は、「Azure の無料アカウントを今すぐ作成しましょう」のページで確認することが出来ます。

GCP

GCPは、Google Cloud Platformの略でGoogleが提供しているクラウドサービスです。

Googleのプラットフォーム技術を基盤にしており高いインフラ性能とGoogleの最先端の機械学習などのAI関係のクラウドサービスを利用することが出来ます。

GCPには、使用量上限まで常に無料・90日間有効な$300 分のクレジットの2種類の無料枠があります。

利用可能なサービスや制限事項は、「GCPの無料枠」のページで確認することが出来ます。

OCI

OCIは、Oracle Cloud Infrastructureの略でOracleが提供しているクラウドサービスです。

Oracleは、データベースで世界トップシェアを持っており企業向けのシステムに強みを持っています。AIと機械学習を利用してデータベースへのパッチ適用やバックアップ・パフォーマンスチューニングなどの運用管理を自動化したAutonomous Databaseを簡単にクラウド上に構築し利用することが出来ます。

OCIには、使用量上限まで常に無料・30日間有効な$300分のクレジットの2種類の無料枠があります。

利用可能なサービスや制限事項は、「Oracle Cloud Free Tier」のページで確認することが出来ます。

無料利用枠の比較

クラウドで何をやりたいかによって使いたいサービスが変わってくるので単純に比較することは難しいですが、ここでは仮想コンピュータ、ブロックストレージ、オブジェクトストレージといった基本的なクラウドサービスの無料枠について比較してみます。

仮想コンピュータ

クラウド上での仮想コンピュータは、CPU数やメモリなどのスペック、仮想マシンを起動していた時間によって課金されます。また、別途データを保存するためのブロックストレージやネットワークの通信量によって課金されるので仮想コンピュータを使用する場合は関連する他のサービスの無料枠も確認する必要があります。

サービス名制限
AWSAmazon EC212ヶ月間 750時間/月まで無料
t2.microインスタンス(vCPU:1 メモリ:1GB)
AzureVirtual Machines12ヶ月間 750時間/月まで無料
B1Sインスタンス(vCPU:1 メモリ:1GB)
GCPCompute Engine無期限 750時間/月まで無料
f1-microインスタンス(vCPU:0.2 メモリ:0.6GB)
HDD:30GB/月
スナップショット:5GB/月
外向きのデータ転送:1GB/月
リージョン:us-west1・us-central1・us-east1のいずれか
OCICompute無期限 インスタンス2つまで無料
oCPU:1/8 メモリ:1GB
※1oCPUは、2vCPUに相当なのでvCPUで0.25に相当

ブロックストレージ

ブロックストレージは、仮想コンピュータにつなげるHDDとして使用します。ディスクの性能と容量、ディスクIOによって課金されます。

サービス名制限
AWSAmazon Elastic Block Storage(EBS)12ヶ月間無料
容量:30GB
AzureManaged Disks12ヶ月間無料
容量:64 GB x 2
GCPPersistent DiskCompute Engineに30GB含む
OCIBlock Storage無期限
容量:100GB

オブジェクトストレージ

オブジェクトストレージは、保存している容量と保存や取得のためのIOによって課金されます。

ブロックストレージとの違いは、ブロックストレージがHDDと同じように最初に使用する容量を決める必要があり決めた容量に対して課金が行われるのに対して、オブジェクトストレージは、最初に容量を決める必要がなく実際にデータを保存した容量に対して課金が行われることです。

例えば、ブロックストレージであれば最初に容量を100GBにすると実際に保存している容量が1MBであっても100GBに対して課金されます。これがオブジェクトストレージであれば1MB分の課金しか行われません。

ただし、オブジェクトストレージは、仮想コンピュータのHDDとして扱うことは出来ずアクセスするにはHTTP(S)で通信する必要があります。

サービス名制限
AWSAmazon S312ヶ月間無料
容量5GB
AzureBlob Storage12ヶ月間無料
容量5GB
GCPCloud Storage無期限
容量5GB
OCIObject Storage無期限
容量10GB

比較のまとめ

単純な仮想コンピュータやストレージサービスの比較では、AWSとAzureはほぼ同じような内容となっており12ヶ月間に限定されていますが、GCPとOCIは、上手く使えば無期限で無料利用することが出来そうです。特にOCIはリージョンも限定されておらず国内のリージョンを使うことも出来るのでかなりお得な印象です。

どのクラウドサービスを使うにしてもですが、設定の仕方や過った使用方法やプログラムの開発中の不具合等により過度なディスクIOや通信を発生させてしまったりして想定していない課金が発生する可能性があります。

予期しない請求を予防するために、請求が一定額になったらアラートメールを送るように設定をしておく、プログラムやクラウドを変更したらしばらくは日々想定していない請求が発生していないかチェックするなどを実施することをお勧めします。

無料枠の活用

これからクラウドを利用する場合、どこか一つのクラウドだけを利用するのではなくサーバーレスや機械学習などそれぞれのクラウドサービスの良いところを使って繋げて利用するようなマルチクラウド設計が必要になって来ます。

無料利用枠を上手く活用して各社のクラウドサービスの管理コンソールや各社の特徴のあるサービスなどを使って試しておくといいかと思います。

最近は、Visual Studioなどの開発環境も無料で利用出来たり、プログラムコードのバージョンを管理するためのgithubなども無料で利用することが出来るので、個人でもやる気とアイデアさえあれば費用を掛けずに開発環境を準備して色々なことを簡単に試すことが出来るのではないかと思います。

無料枠を使ってクラウド上に環境を自動構築するためのプログラムを公開しています。

gitにも公開していますので下のリンクに記載している手順を参考にしながら進めればクラウド上に簡単に環境を構築して試すことが出来るかと思います。

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